
シーナリーハウス、チーフ設計プランナーの幸野成一です。
建築における「余白の美学」って何でしょう。
私は、日本人が昔から持っている独特の美意識だと思っています。
ただただ広い空間を余白というのではなく、意図的に設けた空白の部分がある事で、美的価値を高めたり、精神的に落ち着く効果を創り出すのが建築における「余白」の効果なのかと思います。
わかりやすい例をあげるなら、日本古来からある床の間を想像してみてください。
その2間幅の床の間に飾られているのは、1幅の掛け軸だけ。
周りの壁が余白となり、その余白の掛け軸の美的価値を高めてくれます。
それは「引き算の美学」とも言えるのかもしれません。たくさんの飾り物をするのではなく、1幅の掛け軸だけを飾る事でその床の間には余白が生まれ、床の間の余白と掛け軸がお互いを引き立て合い、より深い意味を生み出すと考えられす。
もっと具体的に現代の住宅にそれを当てはめていくと、余白がある事で空間が実面積より広く感じられたり、心理的解放感をもたらします。
ここで言う余白とは視線の抜けでもあり、それがある事で室内の空気の流れが良くなったりしていきます。
少々難しい話になってきているので、具体的にシーナリーハウスのモデルハウスの余白について解説していきましょう。
まずは、リビング横に設けられた半円形の和室。
ここは、二つの余白を意識しています。
まず一つ目は、大きなアールの壁によって生まれる視覚的余白。
もっとわかりやすく解説すならば、もしここの壁が直線で四角い和室だとすると、視覚的余白がグッと狭くなってしまいます。
二つ目の余白は、壁を天井までくっつけず隙間を空ける事による余白。
別の実例として、広い空間だけが余白でないというのは、必ずしも生活に必要ではない小さな空間も余白と言えると思っています。
モデルハウス「シーナリーの家」に設けられている1帖のこもり部屋がそれにあたります。
この1帖の余白は、視覚的なノイズを減らし、静けさを感じられます。
外部の余白は玄関ポーチの浮かせたスラブの下にあります。
「余白の美学」を私は住宅の設計するにあたり常に意識しています。
余白を意識して設計に取り込むか取り込まないかで、完成する建物の完成度は格段に違ってきます。
この「余白」を意識してモデルハウス「シーナリーの家」をご体感いただければ、より心地よさが倍増するかと思います。