
シーナリーハウス、チーフ設計プランナーの幸野成一です。
「1本でも線を少なく」と言われても、何の事かわかりませんよね。
建物のデザイン(主に内部)はシンプルな方が良いと考えています。
室内の何かを見た時に3本の線が見えるよりも、2本の線が見えている方がシンプルという事になりますよね。
文章だけではわかりにくいので実例をご覧いただき、解説致します。
これはシーナリーハウスのモデルハウス「シーナリーの家」の2階をリビングダイニングから見上げた写真。
手摺の笠木(天端)にご注目下さい。
そしてこれが、手摺の天端の断面図です。
そしてこの部分をダイニングから見上げると、何本の線に見えるでしょうか?
線は2本ですね。
これと一般的な断面と比較するとどうでしょうか?
見える線の2本と3本の違い、おわかりいただけますでしょうか。
ここに徹底的にこだわる事。
そこが、ものすごく大事なんです。
線を1本でも減らそうと考えると、その奥に潜むディテールは複雑になっていきます。
ここを突き詰めて考えた先に、その建物に入った時の感動に結びつきます。
人間の目と脳は、無意識にその空間の粗探しをしています。
その粗探しに引っかからないようにする事の基本が「線を1本でも減らす」という事なんです。
この写真は、私の自邸のトイレの窓です。
窓の高さは目線より少し上の位置になります。
天井いっぱいに着いているので、モデルハウスの手すり同様、下から見える線は2本ですね。
上から見ると、こんな感じです。
そして、さらに下から見ると、こう見えてきます。
なんと、線は1本です。
より室内と、青空とが近く感じられるはずです。
このように「1本でも線は少なく」という内容、
事例で解説すると、とても奥深く、天井のディテールや壁コーナーのディテール、ロールスクリーンの隠し方など、まだまだたくさんの事例がありますので、
次回さらに掘り下げて、「1本でも線は少なくpart2」を書きたいと思います。
現物を見るのが1番分かり易いと思いますので、シーナリーハウスのモデルハウス「シーナリーの家」にお越しになった時は、是非、ダイニングから2階を見上げてみて下さい。
一目でご理解いただけると思います。