シーナリーハウス



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松木 淳也

2024.12.31 new

シーナリーハウスの枠まわり

こんにちは、設計の松木です。

本日は、空間の印象に関わってくる他、機能上も重要な役割を果たしている枠まわりについて記載していきたいと思います。

枠とは主に外部のサッシ内部の建具まわりに取りつける部材で、機能面では入口など角になる部分の保護建具と壁の保護

意匠面では外の景色を切取る額縁として、各空間を仕切る役割などを果たします。

枠材は木下地の表面にシートを施したものと、無垢材(木)のものが主にあります。

弊社では一般的に傷の補修が容易な点と経年での風合いを考慮して無垢材を使用しています。

無垢材は反りねじれが起きることが考えられます。

その為弊社では、耐久性と安定性の高い柾目材を使用しております。

(柾目材についてはhttps://www.sceneryhouse.jp/wphouse/5446/を参照ください。)

 

以下、サッシまわりについて、事例をもとに解説していきます。

こちらは、木枠が中庭の景色を切取る額縁としての機能を果たしています。

枠材の幅はサッシのサイズに応じて調整し、空間に合うように都度設計を行っています。

 

こちらは、サッシに木枠をまわさない納まりで、よりすっきりとした印象になります。

天井に掘込み加工を施しており、ロールスクリーンが隠れるように計画しています。

 

こちらは、プライバシーを木塀で確保しつつ、手前の庭と遠くの山を望むことができる大開口窓として計画を行いました。

上部と下部の間には構造上必要な梁を通しつつ、表面を化粧材で覆うことで化粧梁としてみえるように納めています。

上部は造作FIX窓、下部は気密性を確保する為、オーダーの木製サッシを使用しております。

 

全体的な納まりを検討し、施工性メンテナンス性材料のとれるサイズを加味して部材を分割して入れ、現場で取付けをしてもらいます。

 

次に、内部枠の事例です。

床面積としては小さいながらも広がりが感じられるように各部屋は使い方に応じて仕切ることもできるように計画することが多くあります。

こちらは、引戸で仕切ることで来客時の寝室として使うことができます。常時は開けて暮らすことを想定している為、3枚引戸は見えないように壁の中へしまえるように計画しています。

こちらは、ロールスクリーンで仕切ることができる事例です。ロールスクリーンは目立たないように掘込み部分に取り付けられるように計画しています。

LDKに隣接する子供部屋

子供部屋将来のことを考慮して、仕切りが外せるように計画することで使い勝手の良い部屋として機能させることができます。

 

こちらは、主に1室として使用することから、各部屋のつながりを重視し、両側に枠材を取付けずに納めた事例になります。建具が壁にぶつからないように、小さな木を取り付けて納めています。

 

以下は、プライバシーや空調の面で、各室は仕切りつつも広がりを感じさせるように透明ガラスを入れて計画した事例になります。

建具の上部にガラスを入れることで、各室の天井がつながり広がりが感じられるように計画しています。

ニッチとあわせてデザインした例です。奥は玄関になっており、明かりとりとしての機能も兼ねています。

 

こちらは、かがんで入る低めの入口になります。入口を小さくすることで、籠って作業のできる空間となっています。

傷のつきやすい角を防ぐとともに、出入りの際に手かけとして利用することも想定して木枠を取付けています。

 

色々な事例を紹介しましたが、空間の使われ方に応じて納まりが変わっており、そのことが家毎の特徴や個性につながっていると思います。

 

次回は、建て主様の意向がより反映される造作家具について記載していきたいと思います。

本日はこちらで失礼致します。