シーナリーハウス



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幸野 成一

2024.10.28

「手ざわりの要は、角(かど)」 (チーフ設計プランナーの幸野成一です)

「手ざわりの要は、角(かど)」  (チーフ設計プランナーの幸野成一です)

シーナリーハウス、チーフ設計プランナーの幸野成一です。

 

唐突ですが、

家の中のカウンターの角(かど)や、柱や建具枠の角(かど)って気になりませんか?

 

触っていて、尖っていて切れるんじゃないかと思うようなって嫌ですよね。

見た目には直角のに見えても、実際に触ってみると少しだけ角を削ってあったりします。

これは建築では糸面取りと言って、0、1〜0、3㎜面取りをしてあったりします。

 

実際の面取りの方法としては、カンナをシャッと1回掛ける程度のイメージです。

そして、それ以上に、もっと手触りよくと考えていくとこんな道具が活躍します

これは、R定規と言って、を丸く加工したい時に、丸加工の半径を測る定規です。

R 1は半径1㎜。R 2は半径2㎜という感じです。

面取りの半径が大きくなるほど、手触りは柔らかくなり手触りは良くなっていきますが、デザイン上シャープに見せたい部分と手触りを優先したい部分を使い分け、何ミリの半径が適切なのかを判断していきます。

私は若い頃は、このR定規をいつも持ち歩き手触りを数字で身につけてきました。

 

設計という仕事は自分で木を加工するのではなく、大工さんや家具職人さんに数字で伝えないといけないので、この触り心地を数字で覚える事は設計士として重要な作業となります。

そこで、自宅の中の「角」をR定規を使って測ってみました。

 

まずは、ウォークインクロゼットの

ここは6R(半径6㎜)となっています。

寝室の入口前の角で、ぶつかりやすい場所なので大きくRをとっています。

 

次に階段手摺の角。

ここは2R(半径2㎜)となっています。

実はここ、デザイン上シャープに見せるため、新築当初は糸面取りとしていましたが、実際に使っていて手を滑らせて使用することが多く、角の手触りが気になり自分で少しづつ削って2Rに加工しました。

 

ここは、ウォルナットの洗面台に洗面ボウルを埋め込んでいる部分。

7R(半径7㎜)となっています。

ここは、顔を洗ったりする時に手をぶつける可能性がある事と、丸い洗面台に対してRのデザインを強調したいところから、7Rを指定して家具屋さんに加工してもらっています。

 

そしてこれは、私が愛用している椅子の手摺

3R(半径3㎜)となっています。

日清木工のLLDアームチェア(SH350)という椅子で肘掛けのこの部分の触り心地が何より気に入って購入したものです。家具というのは建築以上に手触りにこだわっているので、家具のRを測る事はとても参考になります。

 

今回のブログはこれで失礼いたします。