こんにちは、設計の松木です。
本日は5/14に福岡で開催された新住協の勉強会について記載致します。
新住協は、工務店や設計事務所と協力して住宅性能の向上を目指す民間の研究機関になります。
詳しくはこちら(https://shinjukyo.gr.jp/)を参照ください。
今回は代表の鎌田先生が直々に来られ、セミナーをして頂きました。
その中で特に今後生かしていきたい項目について記載させて頂きます。
はじめに、全国の2020年、2023年の6~9月の気象データを整理した表になります。
大分に近い福岡、宮崎のデータを見ると2020年より2023年のほうが24時間28℃以下の割合は減っており、夜間になっても外気温が下がりにくくなっていることが表からみてとれます。
次にこちらの表をご覧ください。
省エネ基準住宅とはUa(外皮性能)値0.86、Q1住宅レベル-3とはUa値で0.40程度の高性能な住宅になります。
弊社大分をはじめ、関西以西では高性能化をはかることで暖房負荷は大きく抑えられている反面、冷房負荷はさほど変化しておりません。
温暖化が進んでいくことと、高性能な住宅にしていくことで夏季の対策がより重要になっていくことが分かります。
具体的には西側の窓を極力減らしかつ、遮蔽タイプのガラスを用いる、南側の庇の出を大きくとり夏の日射の侵入を抑える、屋根の断熱性能値をあげる、通気層を確保するなどになります。
(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター 「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より
夏季の熱の流入割合は、部位別では開口部が7割と大きく、次いで屋根となります。金属板(ガルバリウム鋼板)葺きの屋根面(平屋の場合は特に)は室内への熱の侵入において大きな割合を占めることになります。
次に2022年10月に国が現在の断熱等級の最高等級となる省エネ基準7等級を新設したことについて、
以下は省エネ基準住宅(4等級)から省エネ基準7等級にするための外皮の参考仕様例になります。
以下の表は新住協で初期費用と全館空調時のランニングコストをシミュレーションしたものになります。
30年間の場合はQ1住宅Level3、50年間の場合はQ1住宅Level4が収支面では良い結果となっております。
また、現在の省エネ基準7等級では建築コストに係る費用が高くなる分、50年を経過しても暖冷房費用を回収することができていないことが分かりました。
今回、全国の気象状況などを数値データとして客観的に確認できたところで、弊社の大分では夏季の対策をしていくことが大切になる点はこれからの案件に反映できるように検討していきたいと思いました。
頂いた資料は再度読込み性能計画へ生かしていきたいと思います。