こんにちは、設計の松木です。
今回は、建物の高気密化と併せて考えていきたい換気計画について記載していきたいと思います。
現在、建築基準法において24時間換気と言われる換気設備の設置が義務付けられています。2003年に制定されたもので、背景として、新建材などに含まれる化学物質が原因とされる頭痛やめまいなどの症状に代表されるシックハウス症候群の被害を抑えるために制定されたものになります。
具体的には建物内の空気を1時間で0.5回つまり2時間で1回入替えられる換気設備の設置が必要になります。
昨今では新建材において化学物質の飛散が抑えられた商品がほとんどとなり、24時間換気の役割は、カビや結露対策、空気質の向上においての役割が大きくなっております。
上記の役割を有効的に発揮させるためには以下の点がポイントとなってきます。
①各室で滞留した空気ができないような換気経路を計画する
②予期せぬところからの漏気をなくす
ここで、住宅で主に使用される換気システムと特徴について以下の表にまとめましたので併せてご確認ください。
①の換気計画は、特に第三種換気システムを採用する場合に注意して計画する必要があることになります。
②の漏気対策は①の計画を実際に成り立たせるために必要となってくる条件でこちらは気密測定を行い躯体からの隙間をなくしていくことで改善されていきます。
躯体のすきまをふさぎ計画的な換気経路を確保する
必要な換気量とは、仮にすべての部屋の天井高が2.4mで100m2の住宅の場合、2.4×100=240m3、1時間に0.5回換気を行うためには240×1/2=120m3が必要な換気量になってきます。ここで、メーカーのカタログに記載されている換気扇の風量はどこにも隙間が生じていない状態の数字であり実際にはそれより低減されてしまいます。
C値による給気量(換気量)の低減率
上記のグラフからわかる通りC値(隙間相当面積については https://www.sceneryhouse.jp/wphouse/2270/を参照ください。)が高くなるほど給気量(換気量)が低減され、仮にC=1.0の時には50%となることを見越して換気扇を選ぶことが必要になってきます。
今回は換気の役割における基本的なところについて記載致しました。
次回、換気経路を計画していく為のポイントや1種換気システムの特徴についてより詳細な話をしていきたいと思います。
本日はこちらで失礼いたします。